業務で使うPCはどんなものを調達すべきか?結構迷う。WordとExcelとメールの読み書きとブラウザが動けばなんでもよい?確かにそうなんだが、PC管理する立場からすると、適当なPCを用意されたんでは困る。
今回は中小企業のPC選びについて参考になりそうな事を書いていく。
家庭用のPCは買わない
業務で使うPCは「家庭用」のを購入してはいけない。
理由としては、ゲームやテレビ視聴など業務には不要なソフトや機能が多数搭載されているためだ。
家庭用のPCというのは、面白いことに購入直後から動作が遅い。これは起動しっぱなしのソフトが多いからで、画面右下のタスクトレイには小さなアイコンがずらっと並び、何もしてなくてもPCのCPUとメモリを無駄に消費し続ける。さらにデスクトップに目を向けると、お試し版ソフトやら、様々なウェブサイトに誘導させるショートカットで埋め尽くされており、まさに利権の巣窟である。これらを削除しない限り、そのPCでまともに仕事ができるとは思えない。
量販店で手っ取り早く安いPC買ってこようなんて思わず、手順を踏んで法人向けのPCを購入すべきだ。
法人向けPCってどんなの?
法人向けのPCってどんなの?というと、簡単に言うとほぼOSしか入っていないPCのことである。OSをクリーンインストールしたのとそれほど変わらないので、企業のIT担当者が業務に応じてセットアップするというのが前提だ。
法人向けのPCはどこで購入するのか?
PCメーカー直販のウェブサイトから購入する。自分で必要なものを選んで購入できる。BTO(Built To Order)という受注生産による購入の仕組みだ。
毎回自分でカスタマイズしなくてはいけないのだが、このページを読んで要点を抑えれば難しくはない。ウェブでやるのが難しいなら、法人向けの窓口に電話して口頭でBTOを組み、見積を作ってもらうことも可能である。
また、支払については、法人だとクレジットカードで購入するのは難しいだろう。どの会社でも見積とって発注して請求書をもらい、経理に頼んで銀行振込で入金してもらい、やっと商品が届く、といった手順を踏む必要がある。法人向けならこれがすべて対応できる。
PCメーカーのウェブサイトは個人向けと法人向けに分かれている
PCメーカーのウェブサイトのトップページの上の方を見ると「法人のお客様」「個人のお客様」と表示されている。ウェブサイト自体が分かれているのだ。売っているモデルも法人と個人で分かれているものが多いので、必ず法人向けサイトであることを確認する。
ソフトはOS以外はいらない
BTOで法人向けPCの構成を選んでいく。
個人向けと違い、ゲームなど明らかに不要なソフトは入っていないものの、以下の点を気を付けて選ぶ。
スペックの選び方
選択肢が多いのでこれが一番困るところ。どのメーカーも1年に数回はモデルチェンジして型番や製品名が変わるから、いつもこれ買っとけばOKという言い方ができない。
だいたいどのメーカーもBTOを組む前にベースのモデルを選ぶ。どれを購入してもそれなりに動くのだが、目安としては3つあったら真ん中くらいのモデルを買う。4つ以上あったら真ん中より下くらい。何度も購入してスペックに詳しいならもっと安いモデルを選ぶのもいいだろう。
■ノートかデスクトップか
ノートなら大きさより重量がポイント。小型と言ったって1.5キロのPCなんて重すぎて毎日持っていけない。
デスクトップなら置き場所に応じてサイズを決める。
■Windowsのタイプ
できればProfessionalが良い。WindowsにはHomeとProfessionalの2沢があり、Professionalの方が1万円以上は高い。この違いは「ActiveDirectory」という複数PCをサーバで制御する仕掛けを利用する時に使う。普通に使う分にはHomeで十分であるが、社員数もPCも増え続けているようであれば、社内のPCはProでそろえておくことをお勧めする。また、大企業向けや特殊な用途向けにはEnterpriseというのもあるのでこれでもOK。
■CPU
CADでも使わない限りは酷使することはまずないが、遅すぎても困るので、いくつか選択できるなら、真ん中くらいのモデルを選ぶ。
■メモリ
ウィンドウをたくさん開く人だとメモリを非常に使う。そもそもOffice製品もブラウザも非常にメモリは食うので多めに積むのが基本。目安で8GB以上。
■ディスク
PCにファイルをため込まず、ファイルサーバにファイルを置くようにすれば、PCのハードディスクは必要最小限でよい。目安で80GB以上。
PCの起動時間が長いと仕事が滞るので、HDDではなく、SSDにすることをお勧めする。
法人向け向けPCを安く購入する方法
BTOで安く購入する方法としては、大量に購入するのが効果的だ。20〜30台まとめて購入できるなら法人窓口で交渉すると特価を出してくれる(言わないと出ない)。
なお、BTOでない即納モデルというのもあり、スペックが合えばそれでも良い。BTOより安く購入できる。
大昔にNECが市場を席巻していたころの時代は、デスクトップPC本体の価格は1台50~100万くらいだったが、現在は5~10万円くらい。10分の1になってしまった。儲けを考えるとこれ以上安くなることは無い。
性能について
年々CPUとメモリの性能は向上しているものの、いつ購入しても値段は変わらない。
CPUを製造するIntelが定期的に新しいCPUをリリースし続けているため、購入するたびにCPUは性能向上しているのだが、OSのバージョンが上がるたびに高いスペックを要求されるため、時間が経ってもユーザーが性能向上を感じることは少ない。