社内SEを長くやっていてしんどいと思うことは、技術的なことに関して誰も助けてくれないことだ。
会社側からしてみると、ITがわからないから面倒見てくれる専門家を雇おうとしたわけで、専門家たる社内SEが助けを求めるなんて考えていないわけだ。社内SEはなんでも知っている神様とか思っているのかも。
社内SEからしてみると、入社するまでどんな知識が必要かわからないし、入社後に習得すべき知識はかなり多い(誰が構築したかわからないシステムのメンテナンスとか)。
中小企業の社内SEというものは、そういう雇う側と雇われる側のギャップがある中で、社内SE側のがんばりに頼るしかないというのが実情である。
ただ、これだと社内SEのタイプによって、どれだけ仕事をしてくれるか差が出てくることになる。
私の場合、PCとサーバをいじるのが趣味で、業務外で色々試す習慣があったことから、教育を受けなくても業務で必要な知識は自分で勝手に習得していた。
しかし、私が会社を辞めることになったので後任を採用してもらったところタイプが全然違う。システム開発の経験は豊富にあり、与えられた業務はきっちりとこなすが、業務とプライベートを完全に分けて極力残業はしない。業務に必要なことは業務時間内で習得しようとするので、私がサービス残業でこなしていた仕事は外注して対応するようになった。
この人は既存システムの維持管理は私よりもきっちりやり仕事の精度も高い。ただし、自分から何かを提案することはなく、基本的には業者に丸投げしてベンダーコントロールに徹する。これが本人のパフォーマンスとしては最大限なんだろうが、私としては物足りない。
やはり、社内SEに対して何か教育が必要だと考える。でもひとり社内SEは時間を確保するのが難しいので、空き時間でコツコツできることで、個人のスキルの底上げをしつつ、社内にアピールできるものが良いと思う。
具体的にはこんなこと
- 自分でシステムを企画して、何か動くシステムを構築して社内に公開する。中身はなんでもよくて、自分でゼロから運用までやってみる。
- 社内の様々な数値をレポートして発表して自分なりの意見を言う(IT支出やプリント台数など数値で出せる情報を報告)。
- 社内で稼働する物理サーバがあったら、全く同じものを仮想化 or クラウドで再現してみる。
- 社内システムを負荷状況や稼働状況を監視する仕組みを作る。
- 自分でコンフィグを組んで他の拠点とVPNを組んでみる。