業務用カラー複合機の買い方

業務用のカラー複合機を購入する際のポイントを書いていきます。

複合機とは

複合機とはコピー、プリンタ、FAX、スキャナの4つの機能が入っている機器のことです。
家庭用なら1万円以下の安価な機種が販売されています。
業務用というのは見た目がコピー機そのものの、デカいやつです。
現在オフィスに設置されている「コピー機」はほぼ「複合機」の事を差すと言ってもいいでしょう。

また各社、カラーが使えるモデルとモノクロ(白黒)しか使えないモデルがありますが、後述の保守料金はどちらのモデルを購入しても変わらないため、モノクロのモデルを購入するメリットはあまりありません。

家庭用と業務用の違い

・とにかく丈夫
 業務用の方が耐久性のある部品で構成されているため、壊れにくいのが大きな違いです。見た目はコピー機そのものなので、とにかく丈夫です。

・保守契約が必須
 そもそも壊れにくいですが、万が一壊れても、電話1本でサービスマン駆けつけ即日修理してくれます。

・プリントが高速
 値段相応ですが、一番遅いモデルでも毎分20枚プリントでき、最も高速なモデルで毎分70枚プリントできます。
 毎分70枚って、1秒間で1枚以上プリントできるので、凄まじいスピードです。
 業務で使う際は大量印刷するケースもあるので、プリント速度はとても重要です。

・製本できる(オプション)
 フィニッシャーというオプションをつけるとホチキス止めができます。
 さらに中綴じ機能付きのフィニッシャーを使うと、真ん中にホチキス止めした上で折ってくれます。
 A3で2アップして両面印刷し、中綴じすれば製本できてしまうのです。
 コート紙でプリントすればパンフレットができてしまいます。

メーカー

家庭用では以下のメーカーが有名ですね。
 ・エプソン
 ・キャノン
 ・ブラザー
 ・HP

しかし業務用ではプレーヤーが異なります。私の独断で1軍と2軍に分けて紹介します。

【1軍】
 国内の複合機のシェアの7割はこの3社で握っているそうです。
 ・富士ゼロックス → 画質が圧倒的に良いが、他社より高い。
 ・リコー → モノクロがメインならコスパは良い。
 ・キャノン → モノクロがメインならコスパは良い。

【2軍】
 安価ですが、故障が多く、保守サービスも弱いので、結局1軍メーカーに買い換えるケースが多いです。
 ・コニカミノルタ
 ・シャープ
 ・京セラ
 ・エプソン
 ・ブラザー

保守契約が必須

業務用の複合機の特徴として、購入時に保守契約が必須となります。保守契約なしでは購入できません。
保守契約は「カウンタ料金」と言われ、プリント1枚ごとに課金されます。

カラーとモノクロで単価が異なり、カラーのカウンタ料金の方が高額です。
また、最低利用料金が設定され、1枚もプリントしない月でも最低利用料金分の請求が発生します。だいたい3000円くらいだと思います。

プリント枚数が多いほど課金されていくので、どこまでも課金されて割高なイメージがありますが、トナー代が入っているのがポイントです。
複合機を使うために必要なコストは紙代と電気代だけなので、トナー代も不要で、故障しても修理代は一切かからず、出力枚数が多いなら家庭用よりお得だと思います。

保守契約には以下が含まれます。
・トナー
・ドラム
・上記以外の消耗品全部
・出張修理
・修理に必要な部品代金

カウンタ料金はこのくらいです。
・白黒 1~3円/枚
・カラー 10~30円/枚

どこで売ってるの?

事務機器の販売店から購入します。量販店や通販では売ってません。
ネットで「複合機」で検索すればたくさんの販売店が出てくるので、問い合わせると営業マンがすっとんできます。

参考までにオフィスプラスさんのリンクを張っておきます。
リンク:富士ゼロックスの複合機の販売店 オフィスプラス
5割6割あたりまえ!っていう売り方が多いです。

価格

本体価格は定価ベースで100万円以上します。富士ゼロックス製だとこのくらいします。
http://www.fujixerox.co.jp/product/multifunction/dc6_c7771/price.html
価格の違いはプリント速度の違いです。画質は機種によってほとんど違いはありません。

法人向け製品や自動車などの高額商品全般に言えることですが、定価は載せても、値引きを含めた販売価格は公開されていません。
営業マンが対面で売るタイプの商品なので、価格は客によって変わるのです。うまく値切ってください。

100万円以上するため、これを現金で購入する会社はまずありません。通常はリースで購入します。
販売価格は公開していない代わりに各販売店では月額リース料を掲載しています。
最近は6年リース(72回払い)での月額リース料を掲載していることが多く、機種によりますが1~2万円くらいです。
たまに月額5000円から!などと客を釣ってますが、多くはA4しか使えないプリンタ専用機だったりするので、見積してもらうと結局は1万円くらいになります。

安く買う方法

法人向け製品全般に言えることですが、競合する数社から相見積りをとり、営業マンに提示して値切るしかありません。
逆にこれがめんどくさい人って安く購入することはできないです。

価格交渉の際は次のポイントを押さえれば好条件を引き出せる可能性が高いです。
・大量にプリントできるか(モノクロとカラーそれぞれ) → 最低利用料金を高く設定すれば、カウンタ料金の単価は安くできる。
・高速機が購入できるか → 高速機だと最低利用料金は高めになる。
・複数台購入できるか → 拠点が複数あるなら、まとめて購入した方が安くなります。

リースについて

リースとは商品(物件)を賃貸する取引のことです。レンタルと違うのは、客の方が好きな商品を選べることです。レンタルだと用意されたモデルから選ぶだけになります。

販売店と客の間にリース会社が間に入り、客はリース会社から商品を借りる形になります。商品はリース会社の所有物になり、契約が終わったら返却する必要があります。
このときリース会社がお金を立て替えるので手数料をとられます。この手数料は「リース料率」と呼ばれる部分です。
現金の販売価格にリース料率(通常は2%前後)を掛け算すると、月額リース料が出てきます。

リースの契約は商品が担保になってる借金なので、ローンとなどと同様に厳格な審査が必要です。
スタートアップ企業や個人事業主など、営業実績がないものに対しては貸し倒れのリスクがあるので、リースを断られることもあります。

さらに大企業でもなければ保証人も必要です。
法人なら代表者(社長)が保証人になり、会社がつぶれたらリースの残債は社長が引き継ぎます。
個人事業主なら個人の契約になり、連帯保証人が別途必要です。通常は親とか奥さんなどの身内でしょうか。
連帯保証人も支払い能力の審査が行われ、親が高齢だと保証人にできないことがあります。

あとリースは途中解約ができませんが、機器が不要になった場合は残債を一括返済して商品を返せば契約終了できます。
また、会社の規模が大きくなり、高速な機器にアップグレードしたい場合は、新しい機器に残債分を加えて新たにリース契約を結ぶこともできます(もちろん割高ですが)。

中古ってないの?

前述の1軍メーカーは中古の流通がほぼありません。試しにネットで探してみてください。本当に無いです。

理由としてはメーカーの販売戦略によるものです。
複合機は保守契約を結ばない限り、トナーやドラムなどの消耗品が供給されません。単体では販売していないのです。
保守契約中は、機器はメーカーとネット経由で通信しています。トナーが無くなりそうになったら自動的にメーカーに通知して自動納品されます。
非正規のルートで機器だけを調達できたとしても、トナーが調達できないので結局使えないのです。
また、インクジェット機のような互換インクも販売されていません。トナーの製造技術は特許の固まりみたいもので、容易に製造できないのだそうです。

上記の理由から、中古品の価値が無いため、現在はほぼ流通されなくなったようです。

画質ってどうなの

インクジェット、レーザー、LEDと、印刷方式はいろいろありますが、画質は使う紙によります。
テカテカのコート紙を使えばきれいだし、コピー用紙ならそれなりに、という感じです。

ただし、通常業務ではコピー用紙しか使いません。そう考えるとコピー用紙での画質が重要になってきます。
残念ながらインクジェットは普通紙との相性があまりよくないのです。
用紙全体に写真を印刷してみればわかりますが、インクべったりで濡れた感じになり、紙もヨレヨレです。こんなのお客に出せません。
業務用の複合機についてはトナーの粉を紙に圧着させるので、紙への影響がありません。コピー用紙に適した印刷方式になっています。

家庭用から業務用に乗り換えるタイミング

モノクロ・カラー問わず、月間のプリント枚数が1000枚以上(1日50枚以上)になったら業務用の複合機を検討するとよいでしょう。

インクジェットプリンタは本体価格を安くしてインク代で利益を回収するビジネスモデルです。
純正インクは1色1500円くらいで、これが4~6色必要です。用紙全体にカラー印刷するような使い方をしていたら、あっという間にインクは無くなります。

業務用の複合機はトナーは使い放題です。1枚でいくらというカウント料金でしか課金されないので、色を薄くしてケチる必要がありません(そういうソフト売ってますよね)。
A3用紙いっぱいに写真を印刷しても、あくまで1カウント分の課金です。カタログやパンフレットなど、カラー印刷が多い場合は確実にインクジェットより安くなります。

実際のコストで言うと、A4全面に写真を印刷する際のインクのコストは通常200円以上はしますが、複合機なら20円程度です。
カラーの枚数が多いのであれば複合機に乗り換えた方がいいでしょう。

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