Wi-Fi6は非常に高速なWi-Fiの規格であるが、社内向けでは活かせないという話。
いらない理由
機器が対応していない
IEEE802.11axに対応している機器がそもそも少ない。ちゃんと対応しているのは最新のスマホだけではないかと思われる。
ビジネス向けのPCについては、大手メーカーの高いやつ(レッツノートとかmac)は対応しているが、安いやつ(Amazonで5万円くらいのもの)はほぼ対応していない。また、Wi-Fi6が登場したのが2019年なので、それより前のPCはほぼ未対応である。後から対応しようとなると、ノートPCだとUSBのドングル、デスクトップPCだとPCIeにカードを取り付けることになるが、そんな面倒なことまでして対応するケースは聞いたことが無い。
もし購入許可が下りた場合、Wi-Fi6のアクセスポイントに切り替えたからPCは古くても速くなる・・・と皆が勘違いしていないかよく確認しましょう。
有線LANがボトルネックになる
Wi-Fi6にすると2.4Gbpsとか出るらしいが、多くの会社の有線LANは1GbpsでLANケーブルはCAT5eである。LANケーブルもスイッチもまとめて交換しないと遅い方に引きずられるので速度が出ない。ちゃんとスピードを出すには2.5G/5G/10Gbps対応のスイッチングハブと、CAT6以上のLANケーブルが必要である。
ちなみにスイッチングハブは10Gbps対応で6ポート対応のものだと以下の値段。まだまだいいお値段です。

体感できない
Wi-Fiも有線LANもきちんと揃えたとしても、おそらく使う側はあまり体感できない。なぜなら、ほとんどの会社のインターネット回線は1Gbps以下であるため、Wi-Fiが速くてもボトルネックとなる。Gmailや様々な業務システムはブラウザで利用するが、インターネット回線に依存するものについては使用感はほとんど変わらない。
逆に体感できるそうなところを考えてみると、社内設置されている業務システムやファイルサーバへのアクセスが多少早くなるものと思われる(有線LANも高速化させた場合のみ)
課題がどこか確認しよう
Wi-Fiの遅さを改善する目的で購入するのは非常に危険なため、以下をよく確認してから機器選定を行いましょう。
- アクセスポイント設置場所は最適か → 電波状況を確認しよう
- アクセスポイント1台あたりの接続台数が多すぎではないか → 台数を増やす検討が必要